昨日は久々に珍樹を巡る冒険(このブログの正式タイトルです)に出かけておりました。
目的地は三重・美杉地方。月齢伐採、葉枯らし、天然乾燥の最前線におじゃましました。
この山は映画「ウッドジョブ」のロケ地にも使われたそうです。
伊藤英明さんが映画の中で伐った木もしっかり倉庫に保管されていました。
FWの仕事の中でも、この地方の木をいつか活かしたいと思っております。
で、本日のMV珍樹は・・・
横たわる丸太ではなく、真ん中、枝の集合体のような木です。
その名は「コトリトマラズ」。それでなくても細いのに、その枝にトゲが生えてて、
小鳥が止まる余地もないということのようです。
わずかに太めの幹は当地では太鼓のばちに使用されると聞きました。
心材は鮮やかに黄色いのですが、時間が経つと抜けるそう。勉強になりました。
あっ、太めの丸太は「チドリ」。カエデの仲間だそうです。全く知らないことばかり。
現地ご案内いただきましたF様、M様、珍しい国産材たくさん見せていただいたT様、
お忙しい中、有難うございました。
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ぬらり (土曜日, 16 7月 2016 04:47)
ありゃ、やっぱりアイバニーズと書けばよかった。まいっちんぐ。
まだ見ぬ新しい木材や人の知恵って、触れれば触れるほど奇妙ですね。
ヴァイオリン属などに使われる木材、胴など本体ではなく、
部品類、たとえば、あご置きの「柘植」や、弓の「フェルナンブコ」などは、
なぜかギター属ではほとんど見かけません。
英語で画像検索すると、個人製作家らしい方が製作したらしい思い切りの良い逸品が出たりもしますが、スタンダードにならないのは、歴史の思い込み、というのもあるのでしょうかね。
同じJacarandaの名を持つ別種(紫色の花のニクイやつ)も、トーンウッドになるとは聞いたことないし、Sumi工房の鷲見英一さんもアコマガのインタビューで、
「黒松は使わない。赤松」と赤松をたいへんプッシュされていました。
わたしを木フェチの世界へいざなった朝日新聞社出版の『シリーズ木の文化』という本に、陶芸家の加藤唐九郎が面白いことを言ってます。
――赤松で作ったヘラはハガネよりよう切れる。それで手をいくら切っても何ともない。あれは松脂が何か働くのに違いない。
――釉に混ぜる灰に、紀州灘辺のウバメガシの木で作った灰を使わないと黄瀬戸がどうしてもできん。
……など。
また、建築用木材の最高級、木曽産のヒノキでヴァイオリンを作った方は、
なんとも和風な音がする、と書かれています。
仏像の世界も面白いし、能面の世界も楽しいし、
もう自分がミクロになってセルロイドの海を泳いでみたいです。
FINEWOOD (月曜日, 18 7月 2016 00:14)
木フェチ備忘録のページが足らないくらいお話が湧いてきますね!
そこでFWも一言、「木フェチの心 母心 押せば命の泉アキ」(女の60分より)
近日中に樹齢300年、伐採後50年以上の木曽桧でナイロン弦ギターを製作予定です。
タップ音を聞く限り、和風とはいい難い、立ち上がりの早い硬質な音がします。
出来上がりが楽しみな一本です。