単一樹種としての本紫檀(Dallbergia cochinchnensis)は、恐らく国内に最も多く輸入されてきたローズウッドです。
この種については、輸入時期や色味によってユニークな分類方法があります。(樹種事典より)
■古渡(コワタリ):奥光りのする深い紫色。正倉院御物などの材
■中渡(ナカワタリ):深みのある濃い茶色
■新渡(シント):オレンジ色が強い
主に、木工作家が枕詞のように用いるケースが多いようです。(例「古渡本紫檀 銘々皿」等)
抽象的な表現ですので流通市場で使われることはあまりありませんが、長い歴史がある本紫檀ならではの分類方法だと思います。
最近、目(手)にした紫檀類をご紹介しますと
その①
「本紫檀」として売られていましたが現物はどうみてもココボロでした。本紫檀にしては立派な値がついていたので、本紫檀=True rosewoodの意味だったのかもしれませんが。
その②
こちらは逆に・・・
インドローズとして某市場で売られていたものですが、現物はこれもココボロであることが判明!それも極上材でした。
現物の匂いや比重感、逆目の出方をじっくり観察すれば分かるのですが、原木状態で暗い倉庫に置かれていたり、写真だけでは判別できないこともあります。
せめて、マグロの競りのように尾っぽ(=木口)をカットしておいてくれたら良いのですが・・・
いつも思うことですが、樹種の見極めはほんと大変です。
コメントをお書きください